2008年4月24日木曜日

進化した相撲界


  大相撲は日本独特のスポーツなのに外国人の参加によって変化している。スポーツは世界中に広がっていて、同じスポーツでも国別に各スポーツのリーグなどが出来ている。しかし、大相撲は日本に限られたスポーツだ。ジャッキー・ロビンソンに続いて数々のスポーツ選手がスポーツの人種の枠を破った。ジャッキー・ロビンソンはメジャーリーグベースボールにおいてアフリカ系アメリカ人選手としてデビューし活躍した男だ。この新しい傾向は全てのスポーツにおよぶ。この傾向は大相撲にも現れた。大相撲は武道、神事およびその母体となる力士・関係者の集団・社会を指す(注1)。

  大相撲は多分日本で一番日本の文化が現れているスポーツだ。日本人のみが参加するとしか思えない。見た目も昔の武士のように髪の毛をちょん髷にしている。審判をする「行司」と呼ばれる人もちゃんとした着物を着て、鳥帽子、軍配団扇などを付けている(注2)。こんな相撲界に外国人が入ったらどうなるのだろう。
  他のスポーツは外国人をチームに入れる時はそのチームに無い特徴を持つ選手を獲得する。例えば日本のプロ野球チームは大抵体がとても大きい、ホームランを簡単に打てるバッターを雇っている。J-リーグではサッカーがもっと盛んなブラジルなどから選手を雇っている。J-リーグでは外国人のストライカーが多い。ストライカーのポジションはチームの一番前にいる選手で大抵一番良く点数を入れる。こんな大切なポジションには体が大きい、サッカーの歴史が長いブラジル人を選ぶ戦略が多い。
  大相撲も同じで日本人よりはるかに大きい力士が登場してきた。曙太郎、小錦八十吉、武蔵丸光洋などだ。体が大きい外国人力士の中で良く知られている三人だ。名前を聞いただけでは他の力士とはあまり区別できないけれど本名は(順に) Chad Haaheo Rowan, Saleva'a Fuauli Atisano'e, Fiamalu Penitaniだ。曙と武蔵丸はハワイ出身で小錦はサモア出身だ。三人共それぞれ凡そ五百五十パウンドも体重がある。曙と武蔵丸は横綱になり、小錦は大関だった。小さい日本人の力士は相手のあまりの大きさに圧倒されてしまった。日本人唯一の横綱として残ったのが貴乃花だ。しかし貴乃花は年を取り、ケガが多くなり、休場も共に増えた。しかし、曙はすでに引退していて武蔵丸は一人で横綱していたので横綱審議委員会は貴乃花を無理やり復活させ、結局引退した。そして新しい時代が始まった。
  貴乃花の引退と同時に朝青龍は横綱になり、朝青龍の時代が始まった。朝青龍、本名Dolgorsurengiin Davadorjはモンゴル人だ。しかし他の外国人力士と違って体はそれほど大きいわけじゃない。体重は三百三十パウンド、武蔵丸より凡そ二百パウンド少ない。しかしさっき書いたように、新しい時代の始まりだ。朝青龍は他の力士より細く見えるがとても力強い。筋肉がとても大きいに違いない。歴代の力士よりずっと健康的な体格だ。朝青龍は二十二歳という若い年齢で横綱になった。当時横綱だった武蔵丸は勝負にならず、朝青龍が横綱になって一年も立たない内に引退した。残った力士や大関は全然相手にならず朝青龍の連続優勝が始まった。
  歴代の横綱はとても横綱のプライドをたいせつにして来た。勝つ時はちゃんと横綱らしい堂々とした勝ち方をしていた。例えば相手をよけないこと、顔を張らないこと、勝った後は礼儀良く勝つなど。大抵の力士はぶつかり合う時は体、または上手を狙うのに朝青龍はよく首を狙った。反則ではないが危ない技だ。その上、朝青龍は二千三年の名古屋場所で相手の髷をつかみ、反則負けをした。それは朝青龍が歴代の横綱を含めて初めて反則負けをしたことになる。その後、二千七年に朝青龍はケガをして「左ひじ内側副靱帯損傷、左尺骨神経障害、急性腰痛症、第5腰椎疲労骨折で約6週間の休養、加療を要する」(注3)と書いてある診断書を協会に提出したのに同じ日にモンゴルに戻り元日本代表の中田英寿とチャリティのサッカー試合に参加している姿が放送された。日本相撲協会はこの行動に対して朝青龍と親方は二人とも三十パーセントもの減俸を四ヶ月も受けた。その上二場所も出場することが禁じられた。髷事件と似て、横綱初めて秋場所と冬場所への出場が禁じられた。今までの横綱で一番横綱らしくない横綱だ。このような無礼な外国人だからこそ起こったと思われ、数々の相撲ファンの不安が広まった。しかし、こんな事件があっても相撲界を圧倒している朝青龍が大好きなファンももちろんたくさんいる。
  僕は外国人が大相撲に参加していることはとてもいいことだと思う。色々な文化を学びながら育った力士が集まると相撲のスタイルも異なっているに違いない。体の大きさもぜんぜん違う。しかし、前川愛さんの【「朝青龍問題」から現代を読み解く】という記事(注4)に書いたあるようにモンゴル人の圧倒が気に入らない人もいる。この記事には朝青龍が今までの日本人の最高優勝記録を破ったら殺すとヤクザに脅されていると書いてある。こんな考えを持っている人もいる。しかし、常に変化している相撲界に合わせて対応している力士がいる今、横綱が二人とも日本人ではなくモンゴル人であることにも拘らずとても面白いと思う。まるで大相撲が毎年進化しているようだ。

  
参考文献

注1  "大相撲-Wikipedia"
2008年4月24日確認

注2  "行司"
2008年4月24日確認

注3  "朝青龍明徳-Wikipedia"
2008年4月24日確認

注4  "「朝青龍問題」から現代を読み解く"
2008年5月2日確認

1 件のコメント:

たこ焼き さんのコメント...

外国人力士は現在、モンゴル人の他に、ロシア、韓国、グルジアなどからも来ています。かれらが日本の相撲界に与える影響はともかく、かれらが母国で日本の相撲をどう伝えることによって、日本の相撲界が今後どのように変化してくるのかに興味を持ちます。そして、その変化が日本の相撲界に影響を及ぼすことになったとき、角界のお偉い方がどう対処するのかを見るのもおもしろいと思います。