アジア以外の国で人気になった日本の曲といえば、何が思い浮かぶだろうか。もしかしたら、何も思い浮かばない人もいるかもしれない。私の場合は、2004年に来日する前まで、日本の曲は聞いたことがなかった。日本で有名な歌手でも、まったく知らなかった。しかし、来日してたくさんのすばらしい曲が好きになった。音楽は日本の文化の大きな部分を占めているが、海外では日本の料理のように、あまり流行はしていない。私は日本に来て、もちろん伝統的な音楽を聞こうと思ったが、J-POPやJ―ROCKのことを知り、伝統的な音楽以上にそれらのポップミュージックを好きになった。サザンオールスターズや、ブルーハーツなどはほとんどの日本人に知られているし、シングルやアルバムの売り上げはとてもよい。しかし、それらのグループは、ビートルズ、マイケル・ジャクソン、バックストリート・ボーイズのように、世界ツアーコンサートはあまり行わない。そこで、なぜこれらの歌手が海外進出せず、アメリカでは人気がないのかと不思議に思った。
すばらしい日本の曲はたくさんがあるが、アジア以外で人気になる日本の曲はまだ珍しい。多く挙げられる理由は、日本以外で日本語が話されていないから、ということである。英語が話されている国では、あまり日本語を聞く機会がなく、馴染みがない言語なので、とても聞きにくいのではないかと思う。もうひとつは、日本のレコード会社は国内のマーケットに満足しているからである。日本で音楽業界の国内の売り上げはとてもよい。もし海外に行くとしたら、マーケティングにたくさんのお金を使わなければならないので、レコードの会社はよくそれに反対している。その上、英語ができる歌手は少なくて、海外でコミュニケーションが出来ないと悩んでいる歌手がたくさんいる。
それでも最近、何人かの日本人の歌手は、アメリカの市場に入ろうとしている。しかし、ほとんどの努力は不成功だった。宇多田ヒカルはその一番有名な例かもしれない。宇多田ヒカルは子供の時からアメリカに住んでいて、両方英語と日本語が話せる。日本で歌手としてキャリアを始めて、急に人気になった。オリコンチャートで一位のシングルが相次いだ。それで日本だけではなく、育ったアメリカでも有名になりたくて、「Exodus」というアルバムで米国デビューした。しかし、売り上げは5万5000枚だけだったので非常に少なかった(1)。
彼女がアメリカで不成功に終わった理由はいくつか考えられる。日本人が海外で曲を出すときに、一番に考えられる理由は「言語障壁」ではないだろうか。日本以外で、日本語が話される国はなく、日本に興味を持ってる人以外に、日本語の曲を聞く人はあまりいない。だから日本の曲のマーケットはとても小さい。しかし、宇多田ヒカルがアメリカで出したアルバム、「Exodus」には英語の曲しか入っていなかった。前述したとおり、彼女は英語も堪能であるからだ。それでもあまり人気にならなかった。「言語障壁」の問題ではなければ、宇多ヒカルの場合は別の問題があったのだろう。
宇多田ヒカルのスタイルは日本でJ-POPとして分別されているが、アメリカだとR&B、またはヒップホップに入っている。他のアメリカの歌手に比べると、マライアキャリーかビヨンセに似ているではないかと思う。私の意見だと、アメリカ人はあまり宇多田ヒカルのスタイルは気に入らなかったのではないだろうか。なぜかというと、オリジナリティが足りなくて、アメリカの曲の真似をしようとしていたためである。他のアメリカの楽曲に交じって、彼女の曲はあまり顕著ではなかったと思う。
しかし、日本語の歌でも、海外で大ヒットになった曲もいくつかある。どうしてそれらの曲が言語の問題を乗り越え、他の国でも人気になったのか。たとえば、坂本九の「上を向いて歩こう」は、アメリカで1963年に、アメリカのチャートの中で第一位になり、それ以降は、この曲ほど人気になったものはなかった(2)。その曲がとても人気になった理由はいくつかある。まず坂本九は、この歌を歌い始めた時に海外で歌おうとは思わなかった。この曲は日本を旅行していたイギリス人にたまたま注目されて、彼のバージョンをイギリスで作り出した。しかし、そのイギリス人は、「上を向いて歩こう」という曲名は発音しにくくて、もっと発音しやすい曲名にするため、日本で旅行した間に気に入った日本食の名前、「すきやき」に変えた。この「すきやき」という曲名は、実際の曲の歌詞と関係がないが、日本的な響きがあって、覚えやすくて、急に聞く人が増えたという、偶然が引き起こした大ヒットだった。そして、イギリスから今度アメリカに元の日本語のバージョンが紹介され大ヒットになった。フランスでも、オランダでも、ベルギーでも、数多くの人に聞かれた。
ということは、「上をむいて歩こう」は直接歌手の坂本九をとおしてではなくて、外国人が曲を気に入って、彼の国に紹介した。しかし、なぜ大ヒットになったか、まだ説明がつかない。海外に紹介されたからといって、その曲が必ずしも人気になるとは限らない。私にとっては、「上をむいて歩こう」はとてもすばらしい歌だ。なぜならば、歌詞が分からなくても曲の意味が伝わっていると思う。
メロディーを聞けば寂しい気持ち、ちょっとした悲しい気持ちを感じる。しかし、楽天的で快活なリズムとともに、坂本九の楽観的な性格を現しているのではないだろうか。誰が聞いても元気になるだろう。アメリカ人にとって、そこが魅力的だと思う。日本語で歌われて、安易なスタイルだったから、とても独創的だった。それに加え、スタイルは独創的だったが、演歌または日本の伝統的な曲と違って、三味線、または琴のような伝統的な楽器が使われていなかった。演歌のように、声を伸ばしながら急に上がったり、下がったりすることもなかった。むしろ、バイオリンなどの洋楽器が使われ、リズムは50年代のアメリカのバラードと似ていた。だから、その曲のメロディーは、アメリカ人にとって聞きやすくて、馴染みがあったと思う。
もうひとつ外国で有名になった日本の歌は、The Boomの「島唄」だ。いくつかの南米の国で大ヒットになった。「島唄」は、The Boomのリーダー宮沢和史によって、1992年に書かれた。宮沢さんは沖縄を訪れた時の思い出に基づいて、その歌を作った。三線(さんしん)という伝統的な沖縄の楽器を弾いているので、この曲を聞くと沖縄の雰囲気がすぐに思い浮かぶ。沖縄の伝統的な音楽と彼のロックのスタイルを混ぜて、独特な音がその唄の特徴のひとつである5。そして、宮沢さんは沖縄に行って、戦争中と戦争後の惨状を知り、二度とそいうことが起こらないように曲の歌詞の中に平和のメッセージをこめた。
アルゼンチンで大ヒットとなったこの曲は、「上を向いて歩こう」がイギリスに紹介されたのと同じように、アルゼンチン人によって紹介された。「島唄」をアルゼンチンに紹介した歌手は、そのまま日本語で歌った。歌手の名前は、アルフレッド・カセーロという。カセーロのおかげで、多くのアルゼンチン人がその曲に興味を持って、2002年、サッカーワールドカップにおいて、アルゼンチンのテーマソングになった。きっと、アルゼンチン人は日本語の歌詞が分からなくても、曲の熱いリズムと島の雰囲気を感じてこの曲が好きになったではないだろうか。
「上を向いて歩こう」と「島唄」は海外で人気になった日本の曲の二つの例だが、まだ日本の曲は日本以外で聞く機会はめずらしい。多くの人には歌のメッセージを理解するため、歌詞はとても大事だ。私の意見だと、なぜその曲は人気になったのかというと、曲のメロディーは歌詞の意味を含んでいて、歌詞が分からなくても意味が伝えられていたではないかと思う。しかし、海外で曲が人気になるためにはなんらかのきっかけが必要である。「上を向いて歩こう」と「島唄」の場合は、現地の歌手達が曲を紹介した。だが、ただ単に人が音楽を伝えることだけではなく文化を通しても音楽は伝えられることが出来る。たとえば、アメリカでは、メキシコまたは南米の移民が多いので、彼らがアメリカに来てラテン音楽を持ち込みアメリカ人に興味を持たせた。同じく、フランスでは北アフリカから来た移民が多くて、彼らはフランス人にアラブの音楽に興味をもたせた。日本の場合は、世界の中で日本人の移民は少ないほうなので、簡単に日本の文化や音楽を多くの人には紹介できない。しかし、最近、世界中のアニメブームとともに、それに興味を持つ人が増え、日本の音楽も聞くようになった。さらに、日本に来る外国人観光客も年々増えているので、日本の曲をより多くの外国人に聞いてもらい、これから先、すばらしい日本の曲が世界で認められていくようになってほしいと思う。
参考文献
Youtube:
http://www.youtube.com/watch?v=RpqTJySA5Sc
http://www.youtube.com/watch?v=RtXQ31F1A-k&playnext_from=TL&videos=tXIE3z12iGs
http://www.youtube.com/watch?v=n7ggJquImms
1 http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-36998620090316
2 http://www.worldfolksong.com/jpop/kyu/ue.htm
2010年5月1日土曜日
外国での日本の曲
Posted by
Joel
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11:10
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1 件のコメント:
日本の上智大学の学生です。
わたしは日本の音楽がなぜ海外で受け入れられないのか、言語障壁以外にもどんな理由があるのか疑問に思い、世界の音楽のトップシェアであるアメリカ人はどう思うのか気になっていました。
偶然にも上智大学にジョージワシントン大学の学生が留学できていて、友だちになったので興味がでてかこのブログを見たのですが、大変参考になりました。
そしてあなたの日本語はすばらしいです。
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