現在、世界の金融危機が理由になって、ロシアの若者は怒りを爆発させている。経済不況のせいで仕事を見つけるのが難しいことは、世界中皆同じ問題を抱えているけれど、今ロシアで多くの若者が怒りを発散している問題は、外国からロシアへ来る出稼ぎ労働者についてなのだ①。
石油の輸出をメインに急成長をしてきたロシアは、現在の世界不況なので景気が悪い。元ソ連邦であるロシアは、第二次世界大戦の後、連邦が亡びてしまった。ロシアという新しい国を立て直すためには、石油の販売が一番効果的な収入法であった。だが現在、サービス業の変わりに製造販売に力を入れていたせいか、輸出品が海外で売れず、ロシア人の失業率がいきなり増えたと考える人もいる。こうした中でも、今、ロシアでは出稼ぎ労働者が多くいる。前々からロシアには出稼ぎの人々が多く、ほとんどは元ソビエト連邦の一部であったエストニア、ラトビア、リトアニアと言った国から来ている。中国やパキスタンから仕事を見つけに来る労働者も多い。こうした人たちは、自分の国では、政治的問題や歴史を通した人種差別のせいで生活に困っている人がいる。なぜなら、第二次世界大戦でソ連邦が崩れた後も、新しく作られたロシアを囲む独立国の間での戦争は、長く続いていたからだ。
母国ではお金を稼ぐのが非常に難しく、国自体が貧困な場合、将来の生活も索漠とした思いにとらわれる人がいる。なので皆隣のロシアで働き、稼いだお金を母国に住む家族にあげているのだ②。ロシアの企業の立場からでは、出稼ぎ労働者は会社のためになる。ほとんどの出稼ぎの人々はロシアの国籍を持っていないため、国民に与えられる最低賃金や会社が払う社員の医療費などは、ほとんどの企業では義務と認めない。会社では社費を削るため、ロシア人ではなく出稼ぎ労働者ばかり雇用してしまうと言うことだ。この現象は、けっしてロシアだけで起こっていることではない。アメリカでの様々の会社が、国民ではなくメキシコの不法入国者ばかり雇ったり、日本の会社では正社員の代わりに派遣を雇用する理由とも似ている。例が二つ以上あるので、会社は社費を削るため、あまり法律的に守られていない労働者を雇用するのだ。だが、この二つの国とロシアの間には、大きな違いがある。ロシアでは、出稼ぎ者に対する悪印象が非常に強く、国の未来に係わる大きい影響を及ぼしているのだ。
経済不況の中、仕事が見つからないロシアでは、数々のロシア人の若者が出稼ぎ労働者に対する抗議活動を行っている。中でも強い影響を及ぼす組織は「若き親衛隊」といって、現在ロシアの政権与党、「統一ロシア」の下の若者グループである③。この組織は出稼ぎ労働者を皆追い出したいという考えを強く持ち、政権与党の規則へも影響を及ぼそうと必死でいる。ロシアに働きに来る人々の中には、不法入国者もいるため、国民が仕事を無くす怒りはわからなくは無いが、ロシアに来るほとんどの出稼者は不法入国者ではない。出稼ぎ労働者はロシアの政府からも認められていて、労働許可証を持っている。だが、この「若き親衛隊」が仕切る活動は、とても極端である時も多い。たとえば、以前、この組織の一部は、モスクワで出稼ぎ労働者が多く働いていると思われている、ある工事現場を一斉で直撃し、暴れだしたのだ④。外見が外国人であるという理由で、不法労働者と思い込み、大きなけんかをし始めたのだ。「ロシアはロシア人のためだ!」と叫んだ人もいたらしい。こうした暴力は現在の不景気と一緒にエスカレートしているらしい。2008年には、ロシア人とロシアに住む外国人の間で様々な暴行が悪化し、およそ100人が死亡し、400人近くが重要な怪我を負っている。「若き親衛隊」のメンバーたちは、不法労働者だけに悪い気持ちを思っているとは限らない。多くのメンバーたちは、ビザや労働許可証をもつ外国人にも悪い感情を持つ。
「若き親衛隊」の組織は国の政治にも影響を及ぼしている。二年前にはプーチン大統領が、出稼ぎ労働者は小売店では働けないということを法律にしたのだ。この大胆な手段は、「若き親衛隊」の影響力の強さが原因だと考える人もいる。結果、多くの出稼ぎ者が仕事を無くし、母国に帰らなくてはならない人々も増えた。祖国で貧困な生活に戻り、いずれは家族連れのホームレスになった人もいた。中には仕事を無くしたにも係わらず、モスクワの闇市で違法販売を行う人も目撃できた①。また、プーチン大統領はロシアへ入国する出稼ぎ労働者を含めた外国籍者数を削ることに決めた。元ソ連邦であった国の入国者の削る率は約50%で、以前ビザなしで入国できた中国人は、これからは厳しいセキュリティーを通らなくてはならなくなった。プーチン大統領がこのように持ちかけている様々な対策は全てロシア人に仕事を与えるためである。現在覚束無い世界経済の中、ロシアの若者グループ「若き親衛隊」は政治的な力を身につけて、ロシアの未来を少しずつ作り上げている。
今、ロシアで最も注目を浴びているこの若者の組織は本当にロシアという国にとって前向きな未来を描いているのであろうか。ロシアでは現在、ロシア人とロシアに住む外国人の間でけんかが増えている②。殆どの原因はロシア人の人種的差別であって、何人もの被害者が命を無くしている。「若き親衛隊」が原因だと思う人も少なくない。もちろんこの差別問題には歴史的なつながりもある。ソ連邦が崩れた後、様々な民族差別や人種差別が現れた。境界線が作り上げられた結果、自分の人種と違う人に対しては、先入観を持つことが日常茶飯事であった。だが、いまだに境界線がはっきりしていないことが原因で、ロシアを含めた様々な独立国家が、土地や村を巡った戦争を続けている。そして現在、国の間の友情を深めようとしている政策の中、出稼ぎ労働者に向けた厳しい法律などを実行してしまうと、隣国とのデリケートな関係に傷がついてしまうという意見もたくさんある。そして、「若き親衛隊」はこの傷穴を早くも広げていると怒る人がいるわけだ。
実際、「若き親衛隊」は国の景気も悪くしているのではないのであろうか。たとえば、出稼ぎ労働者をサービス企業から禁止して二年経つ現在、ロシアの町角に並ぶ市場の店が全てつぶれている。原因は、市場で働いていたほとんどの人たちが出稼ぎ労働者であったことだ。出稼ぎ者は、ロシアの国籍を持っていないため、最低賃金で働いていた人が多い。ほとんどのロシア人は出稼ぎ者と同じく最低賃金あるいはそれ以下で働くことを拒否しているので、以前より高い賃金を払わなくてはならない雇用者は、店自体を閉めなくてはならない。こうして、以前は出稼ぎ労働者に頼っていた店や企業も、一斉につぶれ始めていく現象が見られる。結果、ロシアの景気が立ち直るのではなく、更なる経済不況へと進んでいるという考え方も可能なのだ。
ロシアの若者組織、「若き親衛隊」は、ロシア国と世界各国に良い影響を及ぼしているのだろうか。ロシアのためを思って作り上げられたこの組織は実際、どうした形で国の未来を作り上げているのだろうか。日本のブラジル出稼ぎ者問題に関しては、日本政府が出稼ぎ者に金を渡し、母国へと帰らせている。アメリカのメキシコ出稼ぎ者問題では、アメリカ政府が国に入ってくる労働者のほとんどにアメリカ国籍を与える提案を考えている。ロシアは、果たして日本やアメリカが実行している対策をどう思うのだろうか。
参考文献
日本の記事
• http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/191970/ ①②③④
• http://trans.hiragana.jp/ruby/http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/210222/ ①②
アメリカの記事
• http://www.independent.co.uk/news/world/europe/russia-bans-foreign-workers-from-retail-jobs-442963.html
• http://ipsnews.net/news.asp?idnews=45445
• http://migration.ucdavis.edu/mn/more.php?id=400_0_4_0
• http://www.rferl.org/Content/Russia_Reduces_Quotas_On_Foreign_Workers/1358782.html
2009年5月6日水曜日
ロシアの若者
Posted by
わがし
投稿時間
10:24
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1 件のコメント:
私は、国際問題に興味を持つので、ロシアについて書こうと思いました。そして、現在の経済不況がアメリカ以外の国に、どう影響を及ぼしているのかを知りたかったのです。
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