ネットカフェ難民とは、ワーキングプアの増加によって出現した定住する住居を持たないホームレスの一種である。名前のとおり、インターネットカフェを宿泊所として使用するが、それのみならず、漫画喫茶、カラオケ店、サウナなどにも寝泊まりする。この造語の生みの親は日本テレビのチーフディレクター、水島宏明氏が担当したドキュメンタリー、「ネットカフェ難民~漂流する貧困者たち」である。その語感のインパクトからマスメディアはおおいに注目し、2007年には流行語大賞のトップテンに選ばれたほどだ。しかし「難民」という響きにたいし、日本複合カフェ協会はネットカフェ難民という言葉の使用を控えるよう注意している。ネットカフェなどのイメージ低下につながり、女性客の足が遠ざかることに不安をもっているようだ。たしかに、ホームレスの住み家になっているネットカフェへは行きづらいかもしれない。私自身、ネットカフェ自体へ行ったことはないが、実際に戸をくぐるとなると、治安は大丈夫なのだろうかと疑問を持つだろう。
ネットカフェ難民は十代から五十代までと、幅広い年齢層がいる。二十代の次に五十代が一番多いとされ、そのうちの二十代後半から三十代はちょうど就職氷河期にあたる。就職難だったため、興味のない職についたがもともとやりたくなかったため早々と退職した者が多いようだ。2007年8月に発表された厚生労働省の「住居喪失不安定就職労働等の実態に関する調査報告書」によると、住居喪失者は約5400人にも上り、平和的な印象を持つ日本の影をここに見ることができる。アメリカのように、日本も段々と格差社会へと移っていっているのではないのだろうか。
携帯の普及によって簡単に派遣会社と連絡がつくようになり、それもネットカフェ難民の拡大に一役買っているようだ。仕事をしている昼間はコインロッカーなどに荷物をあずけ、夜はネットカフェなどの低料金宿泊所で寝泊まりする。しかし難民の多くは住所不定であり、そのため定職につけない。そうなると収入が少ない。収入が少ないため住居が持てない、といった負のスパイラルにはまってしまうことが多い。また、選挙権についても、住所不定なため住所に投票所入場券が届かないという点で、一番投票する必要のある層が投票出来なくなっている。一度「難民」になってしまうと永遠に抜け出せなくなってしまう危険性がある。
こういった問題を解決するために、厚生労働省が昨年8月にネットカフェ難民の職業訓練を条件に月十五万円融資することを発表した。しかしこの案は「住所不定」への直接的なアプローチにはならないのでは、という批判の声もあがっている。十五万円だけでは新しく住居を借りる時の前金を払えない、というのが辛い現実だ。職業訓練など具体的な問題ばかりでなく、住所不定の解決や人間関係の構築などの総合的な支援対策をみつけることが今後の課題となりそうだ。
"ネットカフェ難民." 日本大百科全書. Shogakukan. 2009年2月19日確認
"ネットカフェ難民[流行語大賞2007]." 「日本新語・流行語大賞」全授賞記録 . 2007. JIYUKOKUMINSHA. 2009年2月19日確認
“ネットカフェ難民[世相].” 現代用語の基礎知識JIYUKOKUMINSHA CO.,LTD. 2009年2月19日確認 <http://na.jkn21.com.proxygw.wrlc.org/cgi-bin/jkcsearch/common.cgi>.
“ネットカフェ難民は全国に5400年、厚生労働省が実態調査.” Internet Watch. 2009年2月19日確認<http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/08/28/16715.html>.
“ネットカフェ難民に生活費、職業訓練条件に月15万円融資へ.” Yomiuri Online. 2009年2月19日確認<http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080823-OYT1T00426.htm>.
2009年3月8日日曜日
ネットカフェ難民
Posted by
Miki
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1:27
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1 件のコメント:
最近、ネットカフェで殺された人がいるようですよ。正規でネットカフェを利用するお客さんも恐くて行きたくなくなるのではないでしょうか。日本もアメリカのようにシェルターを設けていれば、こんな造語も作られなかったかもしれませんね。
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